様似漁港で水揚げされたオオズワイガニ

【様似】日高管内東部沖でオオズワイガニが大量発生し、刺し網などに被害が出ている問題で、日高中央漁協（本所・浦河町）は12日、道の特別採捕許可後で初めてとなる有効利用調査のための集中捕獲を行った。初日は様似漁港の漁船５隻が出漁し、計２㌧を水揚げ。漁業者たちは「刺し網漁はカニに悩まされて大変だが、皆で地道にやっていくしかない」「もう少し単価が上がってくれれば」と前を向いている。

　昨年暮れごろからのオオズワイガニの大量発生で、日高中央漁協の浦河、様似両町では、カニがカレイ刺し網を損壊させるなど漁業者を悩ませている。同漁協の一昨年４月～３月末まで一年間のカレイ類の水揚げは約７６０㌧に上るが、今期は刺し網漁がほぼ創業できず、水揚げ量は半分以下にまで激減。損失額は数億円と見込まれる。

　沖合８㌔、水深60～70㍍地点にカゴ入れした大井正敏さん（73）は約３００㌔を漁獲し「場所によってバラつきがあり、初めてのことで、どの程度の捕獲で刺し網を入れれるようになるか、やってみないとわからない。皆で地道にやっていくしかない」、住岡圭一郎さん（41）は「普段はエビとタコ漁だが、許可をもらってオオズワイガニを漁獲している。まだまだカニはいそうだ。オオズワイは食べても美味しい。単価が上がってくれれば」と期待した。