自分たちで植えた苗を移植する生徒たち

【様似】様似中（松田陽一校長）の２年生33人は９日、町内のエンルム岬の海岸沿いに約半年間育てた高山植物「コハマギク」の苗を移植した。アポイ岳再生委員会の「アポイドリームプロジェクト」の一環。

　アポイ岳ファンクラブ（田中正人会長）と同校が連携し、高山植物の種植えなどの自然再生に取り組んでいる。同校の総合的な学習の時間でユネスコアポイ岳ジオパークに指定される豊かな町内の自然や希少な高山植物を知り、郷土愛を育む授業として実施。同校では２０１４年からアポイドリームプロジェクトに参加している。

　苗は、今年１月の１年生時に約半年間育てた「コハマギク」と「アポイクワガタ」「ヒメシラネニンジン」のうちのコハマギクをエンルム岬へ移植。この日は、移植作業前に学校で静岡大の増沢武弘客員教授から自然の再生をテーマに講話があり、その後現地へ移動した。

　エンルム岬に到着した生徒たちは２班に分かれて、交互に岬周辺にコハマギクの苗を移植。アポイ岳ファンクラブ会員から移植の手順を聞いたあと、ポットから慎重に苗を取り出し、優しく土をかけて水やりをした。作業を終えた佐藤倉之祐（くらのすけ）君（14）は「大きな花を咲かせてほしい」と願っていた。