天ぷら油火災、水はNG 広がる炎に児童の悲鳴 網走南小で消火実験
【網走】天ぷら油による火災の恐ろしさや正しい消火の仕方を知ってもらう「天ぷら油消火実験」が、網走南小で行われた。
市危険物安全協会や網走地区防火管理協議会、道LPガス協会網走支部網走分会が毎年、市内小学校を回って行っているもの。同小では1993年、03年、12年に行っており、今回は11年ぶり4回目になる。
この日は同小の避難訓練。地震が起き、理科室から出火したという想定で、サイレンとともに避難を指示する放送が流れると、全校児童245人が口をハンカチで覆いながら中、庭に避難した。
この後、網走消防署員が天ぷら油の火災とその消火方法について説明した。
この中で同署員は「今日の実験は、ガスは正しく使うと安全だが、扱い方を誤ると危険ということを知ってほしい」と話した。
実験では、実際にガスコンロで鍋の油を熱し①布で鍋を覆う②家庭用の油火災消火パックを使う③水をかける―の方法を実演した。 布は鍋にかぶせてしばらく置くと、家庭用の油火災消火パックはパッケージごと鍋に入れると、それぞれ数十秒で火が消えた。
しかし、水はかけたとたん一気に炎が上がり、児童から「うわ!」「きゃーっ!」と悲鳴が上がった。同署員が「火のついた天ぷら油に水をかけることは、絶対にしないように」という説明に、児童はみな真剣な表情で聞き入っていた。
また、この日使った布は不燃性繊維でできているとした上で「布の代わりに濡らしたシーツやバスタオルでもいいです」と話すとともに「天ぷら油の火災は、どうやって消せばいいか、家に帰ったら家族に話して」と呼びかけると、児童はみな「はーい!」とうなずいていた。
6年生の武田実咲さんは「天ぷら油が燃えるのは、テレビでは見たことあるけど、実際に見るには初めて。想像以上に大きい炎が上がった」と驚き「家には消火器とかがないので、布や毛布で消すことや、消火パックを用意するとか家族に伝えたい」と話していた。
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