道南不法投棄・焼却321件 前年比47件減【函館】
道南での2022年度の廃棄物の不法投棄・焼却の新規判明件数は321件だったことが分かった。前年比47件減で、行政のパトロールによる啓発活動の強化が効果を上げたとみられる。一定の成果が見られる一方で、不法投棄は後を絶たず、道や市町は、パトロールを強化したり、注意看板を設置したりして、被害拡大を食い止める考え。
24日、渡島合同庁舎であった今年度の道南地域廃棄物不法処理対策戦略会議(事務局・渡島総合振興局環境生活課)の会合で、事務局が説明した。
321件の内訳は、不法投棄が同40件減の297件、不法焼却が同7件減の24件。所管機関ごとの内訳は、函館市が同20件減の113件、函館市を除く渡島管内1市9町が同30件減の178件、桧山管内7町が同2件減の14件、渡島総合振興局が同3件増の13件、桧山振興局が同2件増の3件だった。事務局によると、近年の件数は横ばい~減少傾向という。
発見経緯は、自治体のパトロールで見つけるケースが178件(55・5%)を占め、次いで電話が86件(26・8%)、来庁が26件(8・1%)の順。
不法投棄について、函館市は「投棄件数は減少傾向にあるが、回収量は微増。生活用品や雑ごみが多くなっている」と分析。昨年3月に函館・江差自動車道の木古内IC(インターチェンジ)が開通した木古内町は「来町者数が増え、家庭ごみの不法投棄が散見された」としている。不法焼却は、函館市が「家庭ごみの焼却事案がほとんどで、行為者の8割が高齢者」と特徴を挙げている。
対応結果は、自治体で適正処理(行為者不明)が262件で最多、不法処理事案として指導が36件、関係機関への情報提供が13件と続いた。
道などは、6月の環境月間、10月の廃棄物適正処理推進月間に合わせ、パトロールや処理業者への立ち入り検査の強化、ヘリコプターでのスカイパトロール(6月)を実施、監視の目を強める。
会議を主宰する渡島総合振興局の井田操くらし・子育て担当部長は「不法投棄はいまだ撲滅するには至っていないが、諦めず、地域一体で啓発を行っていきたい」と力を込める。
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