「どこバス」利用は簡単です 4月から本格運行 利用者も順調に増加
【網走】AIを活用した市のデマンドバス「どこバス」の本格運行が、4月から始まった。このほど、網走桂福祉会が運営する就労移行支援事業所サンライズ・ヨピトの利用者が、スマホを使ったどこバスの予約や、乗降を体験。その利便性を確認した。
まだ実証実験だった3月に、事業主体の市と運行事業者の網走バスの担当者から説明を受けた利用者が、施設の活動の一環で市総合体育館を訪れる際、どこバスを利用してみることになったもの。
網走バスの明神健太常務が同施設を訪れ、どこバスのコールセンターに電話する方法に加え、自動音声の指示通りにスマホや電話を操作する方法、スマホに入れたアプリを操作する方法など、さまざまな予約方法を説明しながら、利用者に予約を体験してもらった。
このうち、利用者が最も簡単にできたのが、自動音声の案内に沿って予約する方法。乗車する同施設前、降車する総合体育館を指定すると、バスの到着時間や予約番号が伝えられ、数分とかからずにあっさりと予約が終了した。
明神常務によると、自動音声で予約すると、予約内容がショートメールで届くので、時間や番号を忘れてしまってもすぐに確認できるほか、乗車時に運転手に予約番号を伝える代わりに、スマホの画面にショートメールの内容を表示して見せるだけでも大丈夫という。「自動音声で予約するほうが、簡単かもしれません」と明神常務が話すと、利用者も「うなずいていた。
どこバスが施設前に到着すると、利用者は乗車時に事前に用意していた料金を料金箱へ。ワンボックスタイプの車内は狭さも感じられず、シートの座り心地も快適。利用者は、ちょっとしたバス遠足気分で目的地の総合体育館へ向かった。
同館に到着するまでの所要時間は15分ほど。同館正面玄関にもどこバス用のバス停が設けられていることから、利用者はほとんど歩くことなく、目的地に到着した。これには、利用者はもちろん付き添った職員もびっくりしていた。
同施設の職員によると、利用者の就労移行支援では通勤手段が問題になることがあるといい、路線バスと違って乗りたい時に利用できるどこバスは、就職時の通勤にも利用できるので助かると話していた。
どこバスは2020年8月から実証実験を始め、この4月から本格運行に移行した。バス停も運行当初から増えており、利便性が高まったことから利用者も順調に増えているという。
半面、どう利用していいか分からないという声もあり、市と網走バスは、町内会や老人クラブなどから要望があると説明会を開いている。
どこバスの利用方法や乗車料金、バス停の場所などは市ホームページ(https://www.city.abashiri.hokkaido.jp/410public_transport/r4_abashiridokobus_02.html )で確認できる。
予約に関する問い合わせは網走バス予約受付センター(☎0152―67―5611)、どこバス全般は市商工労働課(☎0152―44―6111)まで。