函館開建、松前線跡活用の国道228号新ルート案【函館】
函館開建は、落石などで通行止めになる「特殊通行規制区間」に指定されている国道228号福島町松浦~松前町白神間について、防災対策として旧国鉄松前線跡を活用した新ルート案(7・4キロ)を発表した。工期は10~15年程度を想定している。函館開建は「事業化されれば、速やかに調査に着手したい」としている。
同区間の防災対策は、蟹江俊仁北大大学院教授ら有識者で作る検討会が2019年3月から議論を重ね、今月13日に札幌市で開いた5回目の検討会で「鉄道廃線跡を活用した新ルート案が妥当」とする報告をまとめた。
報告によると、新ルートは福島町吉岡から現道と分岐し、松前町荒谷付近まで松前半島を横切る。旧松前線廃線跡を活用することに加え、約3キロのトンネルは旧松前線の白神トンネルを拡幅することで、総事業費を260~360億円に抑える。既存ルートの改良や、海側にトンネルを掘る案と比較し、工費や事業期間など多くの点で有利と判断した。
新ルートは地域高規格道路として計画される松前半島道路とは別のもので、自動車専用道路ではなく一般道路になる。函館開建道路計画課は「廃線跡の活用により、技術的な困難や不安要素は少ない」とみて、早期の事業化を目指す。
同区間は21年7月には覆道の一部が崩落、昨年8月には土砂崩れにより通行止めとなった。落石の危険に加え、立岩トンネルの直上に不安定な岩塊(高さ25メートル)があることなどから将来の岩盤崩壊の危険が指摘されている。福島町の鳴海清春町長と松前町の石山英雄町長は、今年1月、国交省に松前半島道路と並び防災道路の建設を要請した。鳴海町長は今回の函館開建の発表について「防災道路の実現に向け、一歩前進と捉えている」と歓迎した。
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