シマエナガの生態についてユーモアを交えて語る山本さん

【平取】第２回成人文化講座「シマエナガの伝道師にきく！雪の妖精シマエナガの秘密と魅力に迫る！」が10日、中央公民館で開かれ、20人が参加しシマエナガの生態や自然の魅力を学んだ。

　文化や健康に対する意識を高め、心身ともに豊かな生活を送るための知識や教育を身につけることを目的に町教委が主催。

　講師は自然写真家でシマエナガの伝道師の山本光一さん（54）。山本さんは京都府警察本部勤務を経て、１９９７年に家族を伴い阿寒湖畔に移住。前田一歩園財団自然普及課長。自然写真家として、公私で携わる阿寒の森をメインフィールドにしながら、自然に興味を持ってもらうため、シマエナガに関する出前授業や講演会、写真展、ワークショップ、グッズのプロデュースなど各地で幅広く活動している。

　山本さんは、「阿寒へ移住して実感するのは、この森が動物と自然の関係性を感じさせてくれる数少ないエリアだということ。動物との出会いを何十倍にも感じさせてくれる一期一会の感動がある」と切り出し、「特に雪の妖精と謳われるシマエナガが好きで、小柄だが見た目に反して社会性があったり、巣が壊れてもめげない強さがあったりする姿に惹かれて写真集も発行した」とし、その生態についてユーモアを交えながら紹介した。

　日本では北海道にしか生息しておらず、可愛らしい見た目と行動で最近特に注目されている。特徴は、体長約14㌢、体重約７㌘と小柄。身を守るためにせわしなく周囲に注意を払う姿は可愛らしさの反面、危機管理意識の高さの表れで、シマエナガといると安全であることから近づいてくる他の鳥もいるという。

　また、「コミュニケーション能力に優れ、社会性が強く、群れでいることが多い。７〜13個前後の卵を産み、つがいで育て、夏場の親鳥は冬に見るような“モフモフ”な姿ではない。たくさんの雛がいるが、自然淘汰することなく諦めずに弱い子も育て上げる。羽根の構造に特徴があり、冬には羽根に空気を入れて温めるため体が“モフモフ”になるが、中々“モフモフ”が戻らないようになっている」と解説。「子どもより親の方が見た目に可愛く、動画より静止画の方が可愛い。どこにでもいるが中々見ることができない不思議な鳥」と結んだ。

　講座に参加した互野慎一さんは「ユーモアたっぷりで、とても楽しかった。実際に町内でシマエナガを見たことはあったが、詳しい生態を知らなかったのでとても参考になった」と話した。