全道大会で３冠を達成した浅野さん

　１月にホテルライフォート札幌で行われた第45回北海道珠算選手権大会（全国珠算教育連盟　北海道地方連合会主催）で、浦河町の日高信用金庫に勤務する浅野貴広さん（27）が総合競技と読上算、フラッシュ暗算の３冠（自身２度目）を獲得した。フラッシュ暗算では６連覇を達成。

　大会は２０２１年、22年は新型コロナの影響で中止となり、今回３年ぶりに開催した。

　大会には小学生～大人まで１４７人が参加。総合競技はかけ算、わり算、見取算、見取暗算の４種目で合計得点を競った。問題は各種目１問10点で、50問５００満点。４種目合計２千点満点。制限時間はかけ算、わり算、見取算は５分、見取暗算は２分で行う。

　浅野さんは最高合計得点が１９９０点だったが、中学生の永井悠聖選手（札幌市立日章中）も１９９０点で同点のため、かけ算、わり算、見取算各10問３００点満点の点数が高いほうが勝ちとなる決勝問題へ突入。結果は浅野さんが２６０点、永井選手が２５０点の僅差で優勝を飾った。

　読上算は、７桁～16桁の数字がランダムに10回読まれ、そろばんで足し引きする競技。１番目の問題を浅野さんただ一人が正答（タイム26・05秒）したため優勝が決まった。

　フラッシュ暗算は３桁の数字がスクリーンに15個フラッシュされ、正答した選手から順番に優勝、２位と順位が決まっていく競技。またも浅野さんが１番目の問題を唯一正答（１・66秒）したため優勝した。同大会のフラッシュ暗算競技は６連覇となり、歴代４連覇以上は浅野さんのみとなっている。読上暗算競技は２位だった。

　同大会史上３冠を獲得した選手は浅野さんのみで、２０１８年以来の２回目達成の快挙。

　なお、浅野さんは２月26日に大阪府社会福祉会館で開かれた令和４年度全国計算競技大会（大阪天商珠算倶楽部主催）の読上算競技（１１６人参加）でも優勝している。

　３冠を獲得した浅野さんは「（総合競技で）永井選手に勝てるか不安だった。何とか逃げ切った」と話し、「（フラッシュ６連覇は）10連覇を区切りとしているが、勝ててホッとした」と大会を振り返った。また、「自分は全体的に活躍できるのが強み。８月の全日本珠算選手権大会でオールラウンドに活躍し、読上算で優勝したい」と意気込んだ。

　浅野さんは現在、札幌市白石区の一條珠算塾に在籍。月１回程度通い、大会シーズンになると自宅で２時間練習しているという。全国珠算学校連盟10段と全国珠算教育連盟10段、日本珠算連盟10段を持つ（最高段位10段）。過去には、全日本珠算選手権大会のフラッシュ暗算競技で日本一、２０１７年にはフラッシュ暗算でギネス記録を打ち立てたるなど活躍している。