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苫小牧民報

阿寒湖畔の文化紹介 国立アイヌ民族博物館で企画展 白老

白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)・国立アイヌ民族博物館(佐々木史郎館長)のテーマ展「アカント ウン コタン―阿寒湖畔のアイヌ文化」が14日、開幕した。阿寒湖畔周辺におけるアイヌ文化に焦点を当て、地域のアイヌ文化の独自性や多様性を紹介している。5月14日まで。

国立アイヌ民族博物館で始まったテーマ展(作品は故床ヌブリ氏が1985年に制作した「ル(道)」)

 アイヌ文化を地域の視点から紹介する「地域からみたアイヌ文化展」シリーズの第2弾。会場を「歴史」「工芸」「芸能」「共に歩む人たち」「ことば」「観光」の六つのテーマに分け、工芸品や書籍などの史料計141点を並べた。阿寒湖畔の名匠らによる工芸作品計29点やトーテムポール(柱状の神聖な木造彫刻)を思わせる巨大なカムイニ(神の木)、阿寒地方のアイヌ文化伝承に取り組んだ山本多助エカシの自筆ノート類や木彫り作品などがある。

 湖畔では、アイヌ文化の伝統が観光業に携わる人たちの間で受け継がれてきた系譜がある。民具の作り手たちは湖畔の観光地化が進むにつれて各地から集まり、切磋琢磨(せっさたくま)して技術を高めた。芸能や儀礼は観光の中で受け継がれ、新しい文化を生み出してきたという。

 同館の学芸主査、北嶋由紀さんは「阿寒湖畔のアイヌ文化は民族の違いを超えて寄り添う人々との協働によって成り立ってきた」とし、多様で独自の文化を築いてきた阿寒湖畔のアイヌ文化の魅力を伝える。

 佐々木館長も「展示を通じて、阿寒湖畔での活動とアイヌ文化への熱い思いに触れ、各地のアイヌ文化のこれまでとこれからを皆さまと考えていく契機になれば」と話していた。

 観覧料は、ウポポイ入場料(大人1200円、高校生600円)に含まれる。中学生以下無料。月曜休館。

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