ビジターセンターの外観イメージ（創造設計舎提供）

　おびひろ動物園（柚原和敏園長）は、帯広市内の福原朋治さん（８７）＝福原名誉会長＝の寄付で、正門前に来園者の休憩所と管理事務所機能を持つビジターセンター（仮称）を新設する。９月上旬に供用開始予定。合わせて南門券売所も寄付し、総額は約１億円に上る。

　福原さんは昨年５月、食品スーパー・福原（帯広市）の役職を退任。６３年間の現役を終え、地域への感謝の思いから社会貢献したいと考えていた頃、同園の老朽化の実態を報道で知り、「十勝の子どもたちが楽しむ最大の娯楽施設。活性化のお手伝いをしたい」と建物での寄付を決めた。

　園内には休憩スペースが１カ所あるが老朽化しており、正門近くにもなかった。管理事務所は築２５年が経過し、設備も不十分だと知り、「働く人たちの職場環境を改善してほしい」との思いも募った。

　ビジターセンターは、管理事務所の東側に建設。木造地下１階・地上１階建て、延べ床面積約３３４平方メートル。１階は休憩コーナーと管理事務所。休憩コーナー（約８９平方メートル）にいすとテーブルを配置し、小上がりのキッズスペースや動物に関する企画展示を行うスペース、当日のイベント予定を掲示するデジタルサイネージも設置する。地下１階は、職員更衣室や宿直休憩室。

　３月下旬から８月中旬に施工。工事に伴う休園などは予定していない。現在の管理事務所の撤去などについては検討中。

　南門券売所は現在地に建て替える。軽量鉄骨造りで、年内に建設予定。

　１２日午前、福原さんが市役所を訪れ、米沢則寿市長に目録を手渡した。福原さんは「ビジターセンターが動物園の顔となり、人気の上昇や来園者の増加につながれば」とし、柚原園長は「入り口が変わると動物園のイメージも変わる。今年は開園６０周年の節目でもあり、大変ありがたい」と話した。

米沢市長に目録を手渡した福原さん（左）