北の〝状景〟を写真で 22日までロビー展 北方民族博物館
【網走】道立北方民族博物館のロビー展「北の状景から」が、22日まで開かれている。観覧無料。
オホーツク管内に在住するアマチュア写真家6人の作品、約60点を展示している。いろんな人を紹介するため、2人は以前も出品しているが、4人は初めて出品を依頼したという。
オホーツクをテーマにしており、被写体は近隣の風景や動植物が中心だが、樹上で仲中むつまじく遊ぶエゾモモンガ、亜高山帯のハイマツ地帯で子育てをするウソなど、地元の人でもなかなか見る機会のない動物をとらえた作品も多い。
また、知床連山を登山中に撮影したという作品には、悠然と歩くヒグマの姿が大きく写っているものも。
アイヌ語で神の山を表す「キムンカムイ」と名付けられたこの作品は、説明文によるとヒグマは後ろ足で立ち上がったこちらの様子を見た後、去っていったといい「その姿は、まさにキムンカムイ」と、緊迫の様子をつづっている。
そのほかの作品も、斜里岳の眺望や流氷ひしめくオホーツク海、秋の畑に点在する麦わらロールなど、地域の人が見慣れた光景を、写真家ならではの視点で切り取った作品が並んでいる。
耕作中の畑と、遠方の知床連山を収めた写真は、その地上風景よりも空を覆う雲が特徴的。アマチュア写真家ながら、その着眼点はプロ顔負けで、訪れた人の目を引いている。
同館は「この地域に住む人が、自らの感性でとらえた状景作品をご覧ください」と、多くの観覧を呼びかけている。
このロビー展は本道やオホーツクの文化的活動を紹介するために開いているもので、今回が16回目。地域の手工芸作家の作品を展示するなど、北方民族にこだわらないテーマで開催している。今回の「北の状景」は、2015年から続けている。
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