【えりも】道内屈指の初日の出観光スポット襟裳岬に令和５年元旦の朝、遥か水平線の鉛色の雲を掻き分けるように初日が昇り、寒さのなかで待ちわびた大勢の見物客が手を合わせたり、歓声や拍手などそれぞれの思いで祝い新年を迎えた。

　この日は、午前６時55分が初日の出時刻だったが、水平線を低く覆った雲が東に移動して途切れるのに時間を要したため、見物客は瞬間風速20㍍以上の西風に肩を寄せ合って耐えていた。７時20分ごろ、雲をオレンジ色に染めながら待望の初日が昇り、白亜の襟裳岬灯台も初日に染まった。

　町によると、この日は札幌や帯広ナンバーの自家用車など約４００台が２カ所の駐車場を埋め尽くしたほか、警察官と町交通指導員の誘導で岬市街方面の空き地へ駐車するなど、約千人の見物客が訪れた。

　札幌市から大学の同級生３人で来た村中由紀さん（22）は「寒さに耐えて日の出を待ったかいがありました。初日の出の荘厳さを実感しました」と話していた。

水平線の雲間から昇った襟裳岬の初日の出