手話への理解と関心を深める【浦河】
日高圏域地域づくり委員会による手話出前講座が12日、浦河高校講堂で開かれ、同校の生徒が手話への理解・関心を深めた。日高振興局保健環境部社会福祉課の主催。
道では条例に基づき、総合振興局ごとの14圏域に「障がい者が暮らしやすい地域づくり委員会(地域づくり委員会)」を設置し、地域で暮らす障がい者の暮らしづらさに関することや差別、虐待、権利擁護に関することなどについて情報交換や協議を行っている。
日高圏域地域づくり委員会では「北海道障がい者の意思疎通の総合的な支援に関する条例」と「北海道言語としての手話の認識の普及に関する条例」が2018年に施行されたことに伴い、同年から管内の高校などで手話出前講座を実施してきた。
この日は、日高圏域地域づくり委員会から、石黒建一ソーシャルワーカー(浦河町)と、手話通訳の久保香奈さん(同)、前川奈緒さん(新ひだか町)、えりも町教委社会教育課に勤務するろう者の吉原和香奈さんが講師として参加。
開会で石黒さんは「聴こえないということを考えるきっかけになってほしい」あいさつし、吉原さんに手話通訳を介して質問した。
吉原さんは「いつから聴こえないのか」「朝はどうやって起きますか」「テレビは見ますか」などの質問に対し、「生まれつきの難聴」であることや「朝は振動する目覚まし時計で起きている」「字幕でテレビを見る」などと返答。
日本語と手話の違いについても説明し、「日本語と手話は日本語と英語くらい違う。手話=日本語と思っている人がいるが、そうではなく、手話は『手を動かして表情を目で見る言葉』」だということを知ってほしいと訴えた。また、コロナ禍によるマスク着用の影響で相手の唇を見れないため、コミュニケーションが取りづらいと日常の苦労も話した。
この後のジェスチャーゲームでは、生徒2人がお題をジェスチャーで表現し、他生徒へ答えを聞いたが、なかなか伝わらないことへの難しさを感じ、言葉を伝えることの難しさを学んだ。
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