改修された北方領土返還要求啓発看板と長井理事長、標語の最優秀に選ばれた加藤さん（右）

　【網走】網走青年会議所（網走ＪＣ、長井寿公理事長）は、創立70周年を記念し、市藻琴の国道２４４号沿いに建てている北方領土返還要求の啓発看板を改修。併せて、看板の内容を市内高校生から募集した啓発標語に更新した。

　網走ＪＣは１９６９年、市内で最初に行われた北方領土返還要求運動に参加したのをきっかけに、流氷まつり会場、また市内各所に記載所を設けて署名活動を続けるなど、北方領土の返還に取り組んでいる。

　市藻琴に建てている看板も、その一環。78年に設置したもので横４メートル、縦１・８メートルのアルミ製。根室市納沙布にある北方領土返還祈念シンボル像「四島のかけ橋」を描き「返せ！北方領土　この島々にかけよう虹のかけ橋」の文字が添えられていた。

　91年に看板を改修。シンボル像の図案をそのままに、標語は「平和にむかって還る　みんなのアイランド」に変えられた。

　今回は２回目の改修。これまで絵だったシンボル像を写真にし、標語も新たに「いつの日か　千島桜を見に行こう」が採用された。

　この標語は、網走ＪＣが創立70周年を記念して市内の高校生から募集したもの。64件の応募があり、ＪＣ会員で上位８作品を選出。創立70周年記念講演で講師を務めた、東大先端科学技術研究センターの小泉悠専任講師に最優秀作品を選んでもらった。

　この標語を応募したのは、網走桂陽高２年の加藤春奈さん。小泉専任講師は「北方領土問題が、いつの日か解決して欲しいという思いが、一番感じられた」という評価だったという。

　加藤さんは「千島桜という言葉を入れたかった。最優秀に選ばれてびっくりしたけど、選ばれたうれしかった」と喜ぶとともに「北方領土についてあまり知らないと思うので、この標語で知ってもらえたら。自分も授業ぐらいでしか習ったことがないので、これを機にもっと学びたい」と話していた。

　長井理事長は「網走ＪＣの70周年を機に、看板をリニューアルした。北方領土問題が解決する日まで、網走からしっかりと運動を発信していきたい」と、北方領土返還要求の取り組みに、思いを新たにしていた。