カメラと骨を発見 海保と道警が集中捜索 知床観光船沈没事故
【斜里】道警と第1管区海上保安本部(小樽)は25日から26日の2日間、知床沖で発生した観光船「KAZU I(カズワン)」の沈没事故の行方不明者や遺留品などを探す一斉集中捜索を実施した。
沈没事故はゴールデンウイーク直前の4月23日に発生した。これまで20人の死亡が確認され、6人が依然、行方不明となっている。
事故から7カ月余りが経過し、厳冬期が目前に迫る中、海保と道警の捜索隊が知床半島先端部の文吉港から啓吉湾付近の海岸線で集中捜索を行った。
25日の現場海域は悪天候で、波が高く、捜索用の小型ボートを稼働することができず、沿岸の捜索を断念した。
26日は天候が回復したことから捜索を実施した。
海中の捜索は、海保の潜水士4人が冷たい海に潜り、海底の遺留品などを丹念に捜索した。
陸上は日陰部が所どころ凍結する中、道警機動隊の屈強な警察官4人が丹念に事故につながるこん跡を探した。 半島先端部に近い文吉湾で、銀色のフィルムカメラ1個と、骨の破片のようなものを1つを見つけた。
また、啓吉湾では海岸に打ち上げられている骨の破片のようなものを1つみつけた。
骨のようなものは行方不明者の可能性があるとして、DNA鑑定を行うなど、身元の特定に向け、作業を進めている。
道警班の指揮に当たった道警本部警備課の奥芝雄祐警部は「発生当初から、探してあげたい、家族のもとに返してあげたいという気持ちは変わらない。気候は厳しい状況になってきたが、全力を尽くして捜索にあたりたい」と捜索前に語った。 厳しい冬が訪れ、知床半島での捜索は厳しさを増している。
厳寒期になると、海岸線は凍り付き、陸上の歩行が困難となるほか、流氷が訪れると巡視船などでの捜索も難しくなる。
海保などの関係機関は、冬場も捜索を続けるとしているが、現場海域や海岸線の捜索は事実上、不可能とみられている。
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