田んぼにお目見えした稲積

　【上ノ国】町中須田地区で秋の風物詩、稲積（にお）の作成作業が今年も始まった。束になった穂付きの稲わらを、三角錐の形に組んだ３本の支柱に掛けて積み上げ、稲を自然乾燥させる。

　作業が始まったのは道道江差木古内線の南側に広がる京谷作右衛門さん（７９）方の田んぼ。今年は天日乾燥用に、道南ブランド米「ふっくりんこ」を６０アール、「ななつぼし」を３０アール栽培した。

　２４日から順次、手押し式のコンバインで刈り取りを始め、稲わらを束ねる作業を開始。２８日から支柱を組み、積み上げる作業に入った。高齢化で作成数は減少しているが、今年も約５０基程度を予定している。

　今年の生育状況について京谷さんは「稲は例年通りしっかりだが粒数は少なめ」と話す。自ら飼育する馬から得られる馬ふん堆肥を使用することで、化成肥料を極力低減させた循環型農法にこだわり抜く京谷さんは「味には自身あり」と、作業に力が入る。

　稲積は１０月２０日ごろまで見られる。今年も町のふるさと納税返礼品などとして自然乾燥米を出荷する。