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函館新聞

市文学館で生誕120周年記念久生十蘭展【函館】

自筆資料をはじめ、久生十蘭のさまざまな資料を集めた収蔵資料展コーナー

 函館市文学館(末広町)は函館出身の直木賞作家久生十蘭(本名・阿部正雄、1902~57年)の生誕120周年を記念した収蔵資料展を同館で開いている。常設展示資料に加え、初公開となる文芸資料、愛用品などを展示している。

 十蘭は旧制函館中学(現函館中部高)中退後、上京。20年に帰函。2歳上の先輩で長谷川海太郎の父、淑夫が経営していた函館新聞社(当時)に入社。本格的に文芸活動に力を注いだ。日中戦争では従軍作家、太平洋戦争では海軍報道班としての経験がある。戦後の52年に「鈴木主水」で直木賞、55年には「母子像」が世界短編小説コンクールで第1席を獲得するなど国内外で評価された。

 収蔵資料展では、26年発行の函館の文芸誌「生」に掲載された戯曲「九郎兵衛の最後」などの初公開資料や、函館新聞記者時代の記事の複写、29~33年に留学したパリの写真集、自筆原稿「モンテ・カルロの下着」、函館出身の水谷準が編集長を務め、十蘭の原稿が掲載された雑誌「新青年」など貴重な資料が並ぶ。

 また、道教育大函館校で小林真二教授(日本近現代文学)が指導する学生グループも協力。十蘭ファンを増やす「人類ジュウラニアン化計画」として、閲覧用の文庫本を置き、学生によるお薦め理由を書いたポップも並べた。

 古川志乃館長は「初めて作品に触れた学生にも作品は新鮮に感じられ、熱心なミステリーファンも多い。多くの市民の方に知ってもらいたい」と話している。

 収蔵資料展は11月13日まで(10月12~14日休館)。一般300円、小学生~大学生150円。問い合わせは同館(0138・22・9014)へ。

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