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釧路新聞

半世紀前の転車台発掘 上風蓮停留所跡、歴史遺産に登録【別海】

発掘された転車台(佐々木さん提供)

 【別海】浜中町との境に位置する町上風連南部の簡易軌道(浜中町営軌道)停留所跡で、車両を方向転換させる転車台が半世紀の時を超え姿を見せた。半分は損壊していたものの保存ができる状態で、町は一帯約2800平方㍍を「上風蓮(開南)停留所跡」(仮称)として歴史遺産に登録する方針。地域住民らは「歴史を語り継ぐ一つの拠点に」と期待を膨らませている。

 町最南部に位置する上風連の開南地区は今年で開基90周年を迎え、転車台の掘り起こし作業はその記念事業として開南神社例大祭(8日)で行われた。地元酪農家ら約20人が参加。重機で掘り起こすと、線路跡や待合所の基礎の一部とともに姿を見せたが、周辺道路の拡張工事の影響で半分以上が損壊していた。

 主催した開南町内会の元会長で酪農家の瀬下是智さん(82)は、開通当時牧場から牛乳を荷台に載せ軌道まで運んだ。出現した転車台に「実際に走っている様子が目に浮かぶ。交通の便が悪い所だったので改めてありがたみを感じる」と懐かしんでいた。

 転車台を遺構保存する話は約10年前から計画された。国有地だった停留所跡を払い下げるよう住民らが町に要望し昨年8月、晴れて町有地となり準備が整った。先人が入植した1932(昭和7)年から90年の節目の今年、例大祭の記念事業として発掘が実現した。

 発起人の1人で元雪印メグミルク別海工場長の佐々木正巳さんも東京から駆け付けた。「開南に軌道が通じた頃にはその役割を自動車に譲る時代になった。その皮肉な歴史も長らく伝えてゆくきっかけになれば」と話している。

 町は、整備を進める奥行臼地区の旧標津線の交通遺産と関連させ「上風蓮(開南)停留所跡」を関連文化財遺構として登録する方針。

 簡易軌道は大正末期、融雪でぬかるむ通行困難な入植者の足(殖民軌道)として、道東や道北を中心に敷設され、約50年にわたり旅客や牛乳などを輸送、釧根地区の開拓を支えた。72年の浜中町営軌道の廃止を最後にすべて姿を消した。ほかに鶴居村営軌道(1929~67年)などがある。

 浜中町営軌道1929(昭和4)年開業。延長工事でJR茶内駅前を起点に厚岸町別寒辺牛に至る「若松線」、西円朱別に至る「西円線」、別海町開南に至る「東円線」の3路線ができた。開南まで軌道が来たのは65(昭和40)年12月で、同時期に道路整備も行われており、生乳の出荷は鉄路から陸路に切り替わった。東円線はわずか5年で運行を終了した。

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