コロナ前の水準に戻りつつある函館市電。８月は３９万人超が利用した

　函館市企業局交通部によると、函館市電の８月の乗客数は、前年同月比４４％増の３９万２２３人（速報値）だった。函館港まつり来場者や夏休みの帰省客、観光需要の増加で利用者が多くなった。少ない月で４０万人を超えたコロナ下以前の水準に回復の兆しが見えてきた。

　８月は、夏休みが始まった７月末から帰省や観光の利用が増えた。３年ぶりの函館港まつり（１～４日）による乗客が特に多く、イベントやパレード、屋台を目当てにした人たちが行き帰りに利用した。

　お盆前後には、函館駅や西部地区、五稜郭周辺などでの乗り降りが多く、同部は「行動制限がなかった今年の夏は花火などのイベントもあり市民利用も順調だった。コロナ下としてはまずまずの状況となった」と分析する。

　コロナ下の２０２０年度以降は１０万人台で推移する月もあった。観光需要喚起策の効果で一時的に４０万人を超えたが、感染者数の増加で利用は安定しなかった。しかし今年度に入り３０万人台が続いている。

　９月は、はこだてグルメサーカスなどのイベント開催、秋の観光客増、修学旅行の利用も期待され、コロナの「第７波」も全国的にピークアウトし、８月の記録を超えるとみられる。

　同部は「ようやく回復の兆しが見えてきた。今後も感染状況に注視し、安全運行に務めながら、適切な時期が来たら利用を後押しする効果的な施策を打ち出せれば」とする。