事故があった現場で実況見分を行う捜査関係者

　【森】森町赤井川の宿泊施設「グリーンピア大沼」で１８日に発生したゴーカート事故で、森署は２０日、死亡した男児の死因が脳挫傷と発表した。また、同署などは同日、現場の実況見分をした。今後、主催者などへの聞き取りを行うとともに、コースやゴーカートの状況、安全対策が十分だったかどうかなどを検証し、業務上過失致死傷の疑いを視野に捜査を進めることにしている。

　同署によると、女児が運転していたゴーカートは右回りのコースを走り、直線からカーブに差しかかったところでコースを逸脱。１０数メートル離れた待機場所にいた５人に突っ込んだ。コースと見物客の間には仕切りのカラーコーンやバーが設置されていただけだった。当時の天候は雨で路面は濡れていたという。

　亡くなったのは函館市赤川１、吉田成那ちゃん（２）で、兄（４）は頭部に、別の４歳男児は眉間にそれぞれ軽傷を負い、病院に搬送された。待機場所にはほかに成那ちゃんの父親と１歳男児がいたが、けがはなかった。

　この日の実況見分では、捜査関係者数人が１時間ほどかけ、コースの写真を撮るなどして現場の状況を調べた。

　事故を受け、主催者の４社（函館トヨタ、函館トヨペット、トヨタカローラ函館、ネッツトヨタ函館）とイベントを運営していた新千歳モーターランド（千歳市）は２０日、それぞれホームページ上にコメントを発表した。

　事務局の函館トヨペット（石川町）は「自動車に関わる販売会社にとって、何よりも優先されるべきは安全であり、このような重大な事故を発生させるようなことは決してあってはならない。二度とこのような事故を起こさないために、何が安全対策として足りていなかったのか、しっかりと見つめ直してまいります」としている。