釧路市内の女性酪農家グループ「Ｂｅｃｏｔｔｏ（ベコット）」（籔内直美代表）の写真展が２３日から１０月１０日まで、人気アウトドアブランド「モンベル」の御徒町店内サロン（東京）で開かれる。道東の酪農団体が同所でイベントを行うのは初の試みで、籔内代表は「釧根地域の酪農をたくさんアピールしていきたい」と意欲を示している。

　新型コロナウイルスや物価高騰などにより疲弊する酪農業界を盛り上げるとともに、関東圏の消費者へ釧根地域の酪農と牛乳のＰＲなどを目的として実施。農水省の農業女子プロジェクトなどを通じて、同社とつながりのあった籔内代表が企画を持ち込んだところ、快諾を受けたという。

　今回の写真展は「釧路で生きる酪農女性」をテーマに、展示数は約７０点。撮影に協力してくれた１９人の酪農女性が生き生きと働く姿を切り取ったほか、酪農界の獣医師や人工授精師が働く姿も活写。籔内代表は「牧場の生活や動物に関わる仕事風景を通じて、酪農という業界に興味を持ってもらえるとうれしい」と話す。

　写真展以外にも、ベコットが今年行った「酪農＆牛乳あるある川柳コンテスト」に寄せられた全作品を展示するほか、初日と最終日にベコットメンバーやカメラマンを務めた名塚ちひろさんらによるギャラリートーク、９月３０日～１０月２日には農協職員や関係機関による「釧路酪農お仕事相談会」も実施する。さらに、会場には協賛企業のパンフレットやチラシ、釧路市の観光、長期滞在などをＰＲするポスターも設置する。

　今回のイベントにはモンベルをはじめ、阿寒農業協同組合や釧路市農業担い手育成推進協議会、よつ葉乳業根釧工場など多くの協賛を受けており、籔内代表は「たくさんの人に協力を頂いたおかげで実施することができる」と感謝。「酪農女性は結婚などで外から来た人が多く、存在としても仕事としても遠いものじゃない。イベントを通じて酪農の世界を身近に感じてもらうきっかけになれば」と話している。

ポスターパネルを手に「期間中、東京に来ることがあれば、ぜひ足を延ばしてほしい」と来場を呼び掛ける籔内さん