酪農畜産守ろう 決起大会で声上げ団結【釧路】
牛乳需要の大幅な減少や飼料・肥料価格の高騰など、昨今の厳しい酪農情勢に立ち向かおうと、生産者や関係団体、国会議員らによる「釧路・根室の酪農畜産を守ろう!生産者緊急大決起大会」が18日、釧路市幸町緑地の耐震岸壁特設ステージで開かれ、赤い鉢巻きと白黒のうちわを手に集まった約1000人が、難局を乗り越えるために団結を誓った。
釧路地区農協酪農畜産対策協議会(徳田善一会長)と根室地区酪農対策協議会(望月英彦会長)の主催。釧路、根室地域は道内の生乳生産の4割以上を占めるなど、全国でも有数の酪農地帯。酪農畜産業は両管内の基幹産業でもあり、輸送業、建設業、観光業など関連産業にも大きく寄与するなど、地域経済の維持、活性化に欠かせない存在となっている。
一方で、近年は新型コロナウイルスの影響による牛乳、乳製品需要の大幅な落ち込みに加え、ロシアのウクライナ侵攻や過度な円安に伴う飼料・肥料価格が大幅に高騰。過去に例がないほどの事業経営に大きな影を落としており、自助努力も限界を迎えつつある事態となっている。
この日は濃い霧が立ち込めるあいにくの空模様にも関わらず、会場には「北海道の産業を守れ!」「適正な乳価を!」などのプラカードを掲げた生産者や関係者が出席。主催者を代表して徳田会長が「飼料もコストも増加し、経営努力だけではもう限界にきている。若い人が夢を持って経営できる環境をつくるためにも皆さんと共に声を上げていきたい」とあいさつした。
その後、生産者を代表して4人の酪農関係者が意見表明を行った。このうち、釧路地区農協青年部協議会の浅野達彦会長は「酪農の基盤そのものが揺らいでしまう深刻な事態。国や自治体には、若い人が展望を持てる対策をとってほしい」と訴えた。
最後に、酪農畜産業が危機的な状況であることを参加者全員で再確認し、状況を打破すべくそれぞれの立場で課題解決に向け、全力で取り組むという大会決議を全会一致で採択し、「頑張ろう」三唱で締めくくった。
大会参加のため根室管内中標津町から訪れた中標津農協女性部の遠藤美智子部長と飯島三子副部長は「意欲を持っている人がいるのに、一定数しか生乳を絞れない状況は切実。せめて乳量の抑制だけでもなんとかしてほしい」と話していた。
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