浜中養殖うに待望初水揚 赤潮、流氷被害乗り越え【浜中】
【浜中】町がブランド化を進める「浜中養殖うに」の水揚げが15日に始まり、霧多布漁港には濃いオレンジ色の身を蓄えたウニが次々と並んだ。昨年9月の赤潮や今年3月の流氷の影響で大きな打撃を受け、減産は免れないものの、今シーズン初水揚げを迎え、浜は安堵(あんど)と期待の声に包まれている。
「浜中養殖うに」は、地元産のコンブのみを食べて育った極上品。浜中漁協と散布漁協が手掛け、両漁協と町内4加工会社、町は国の地理的表示(GI)保護制度に基づく登録を目指している。
この日同漁港には、浜中漁協うに養殖部会(川村英喜部会長、56人)が、直径7~8㌢で3年物のウニ約400㌔を出荷。漁業者や漁協職員が重さを計り、殻を開けて身の入りを確認していた。奥谷一秀さん(48)は「赤潮や春先の流氷で餌のコンブが切れたりと、全体の3分の1から半分ほどが影響を受けた。初日で身入りはまずます。いい値が付くよう、今後に期待したい」と話していた。
同漁協では、昨秋の赤潮の影響で2021年度の養殖ウニは前年比25%減の32㌧、潜水ウニは前年の3分の2程度の40㌧にとどまった。また赤潮の影響は3、4年続くとされる上、春先の流氷で生育途中のコンブが削り取られたり、かごなどの設備や施設の破損などの被害が多数出ており、今季も厳しい状況が続く。
ウニは、町内の加工会社で折り詰めや塩水パックなどに加工し、1週間ほどで東京の豊洲市場で競りに掛けられる。散布漁協は20日以降、出荷開始の予定。出荷は12月末まで続く。
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