浦河町の地域おこし協力隊白取たかと隊員による「火起こしワークショップ」が３日、浦河町西舎のオロマップキャンプ場で開かれた。参加した子どもたちは、薪に火をつける「火起こし」体験で野外活動を満喫した。

　アウトドアをテーマとした活動や、町のアウトドア施設の充実で地域おこしに取り組む白取隊員が実施する初の親子向けイベント。３組の親子が参加し、鹿の角を持ち手に使ったファイヤースターターを作り、実際に薪に火をつける「火起こし」を体験した。

　ワークショップでは、初めに、たき火に使う薪の準備として子どもたちが薪割に挑戦。重たい斧を振り上げ、思うように割れない薪に苦戦しながらも白取さんのサポート受け、たき火に使う薪を確保。そのあと、鹿の角で持ち手を飾り付けたファイヤースターター制作し、完成したスターターを使って火起こしに挑戦した。

　火起こしは、松の枝使った焚き付け〝ＦＡＴウッド〟を細かく削ったものに、ファイヤースターターで火花を散らして着火する本格的なアウトドアスタイル。子どもたちは、ファイヤースターターで何度も火花を散らしながら、火おこしの難しさを体験。無事に、たき火の火が燃え上がると、安堵の表情を浮かべていた。

　最後に、どんぐりの粉を混ぜ合わせたパン生地を木の枝に巻き付けて、たき火で焼き上げる〝縄文式パン〟作りに取り組み、子どもたちは、自分たちで起こした火で焼いた野趣あふれるパンの味わいに「おいしい！」と笑顔を見せていた。

　参加した荻伏小５年の藤原すなおさんは「せっかくついたと思った火が、ついては消え、ついては消えてを繰り返してとても苦労した。起こした火がたき火になったのはとてもうれしかった」と話していた。

　イベントを主催した地域おこし協力隊の白取さんは「自然の中で遊べるアウトドアのイベントなどを今後も企画できれば」と意気込んでいた。

薪割りを体験する参加者