北海道ニュースリンクは北海道の参加新聞社がニュース・イベントを配信するサイトです

釧路新聞

陸揚庫 コンクリート強度検査 劣化少なく専門家も驚き【根室】

コンクリート本来のアルカリ成分を残す陸揚庫のコンクリート片(13日午後2時30分)

 【根室】国の有形登録文化財で、北方領土と根室がつながっていたことを示す唯一の現存施設「根室国後間海底電信線陸揚施設」(通称・陸揚庫)の本格調査2日目となった13日、コンクリートの強度検査のための「コア抜き」を実施、基礎部分のコンクリートは想像以上に劣化が少なく専門家を驚かせていた。

 陸揚庫(西浜町)は、根室と北方領土国後島のケラムイ崎まで38・2㌔を結んでいた通信用海底ケーブルの中継施設。旧逓信省が1900(明治33)年に設置した施設で、鉄筋コンクリート製の施設は35(昭和10)年ごろの建設とされているが詳細は不明だ。

 2日目は、コンクリートの強度を測るために施設の基礎などからコンクリートをくり抜く「コア抜き」や保護する薬剤の塗布試験を実施。遺構調査班は門柱の掘り起こしなどを行った。

 コア抜きは陸揚庫の基礎部分4カ所から1本が直径7・5㌢、奥行き約20㌢のコンクリートを6本抜き取った。大学などの研究機関に送って圧縮強度試験を行うという。現場では劣化度を目視で確認する中性化試験を行った。

 コンクリートは高アルカリ性であることで鉄筋を酸化から守るが、中性化すると鉄筋をさびさせ、強度が落ちる。コア抜きしたコンクリート6本に薬剤を噴霧するとアルカリ性を示すピンク色に変わり、専門家から驚嘆の声が上がった。

 上屋部分に比べ劣化が少なく、国土交通省国土技術政策総合研究所の長谷川直司さんは「土中にあった影響もあるが、昭和10年の建設ということを考えると思っていた以上にアルカリ成分が保たれている」と驚いていた。

 遺構調査班は、陸揚庫保存会の久保浩昭氏(54)も加わり、施設正面に建つ門柱の基礎部分を掘り出した。海岸に建つ施設だけに「砂地対策と見られる」立派な基礎が出現した。調査は15日まで続く。

関連記事

十勝毎日新聞

ポイ捨てゼロ願う ごみ拾い“袋文字” SNSで発信「皆さん考えて」【帯広】

 帯広市西9南1の加藤芳規さん(82)は8年前から毎日、近所のごみ拾いを続け、ごみ拾いSNS「ピリカ」に、2週間分のごみを集めた袋で作る文字アートの写真を投稿している。これまで「ポ・イ・ス・テ」な...

十勝毎日新聞

マチルダ 袋いっぱい 大感謝祭【芽室】

 芽室町内の農商工などが連携して町をPRするイベント「めむろ大感謝祭2024」(実行委主催)が23日、JAめむろで開かれた。大勢の家族連れらが訪れ、芽室の味覚を味わっていた。  「芽室に感謝す...

十勝毎日新聞

災害対応 海と空から 負傷者、物資の輸送訓練【広尾】

 広尾署と広尾海保などは21日、広尾町内の沿岸部で、災害発生時の負傷者や救援物資の海上輸送を想定した合同訓練を実施した。巡視船「とかち」や道警の災害ドローンが出動、緊急時の連携対応を確認した。 ...

函館新聞

函館市南茅部地区パワースポット巡るモニターツアー 観光庁の地域観光新発見..

 函館市南茅部地区のパワースポットや食文化に触れるモニターツアーが現地で開かれ、18人が参加した。参加者はパワースポット「吹上石(ぬけいし)」「垣ノ島遺跡の丘状遺構」を訪れ〝特別感″を満喫した。ア...

函館新聞

桜庭さん勝負の1年 ボウリング 12月マレーシアで大会 来年のデフリンピ..

 函館市の会社員、桜庭まどかさん(36)が、12月1日からマレーシアで開かれるボウリングの第10回アジア太平洋ろう者競技大会に日本代表選手として出場する。来年11月に東京で行われる4年に一度の聴...

CATEGORY記事カテゴリー

MEDIA参加新聞社

ARCHIVE月別記事リスト

RANKINGアクセスランキング

  • 週間アクセス
  • 月間アクセス