後半１分、ラ・サールの近江がトライを決め７１－０とする

　【北斗】ラグビーの第７５回北海道高校南選手権大会函館支部予選会兼第１０２回全国高校大会函館支部予選会兼第５５回函館選手権（道高体連函館支部、函館市ラグビーフットボール協会主催）最終日は２９日、北斗市運動公園フットボール場で決勝を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で函工が棄権し、ラ・サールが１１連覇となった。決勝の代替試合として、ラ・サールと函工・函大有斗合同が対戦。１２０―０でラ・サールが快勝した。ラ・サールと函工は９月に旭川市で開かれる南北海道大会に出場する。

　■課題修正し南大会に挑む　ラ・サール

　２年ぶりの花園出場を目指すラ・サール。唯一の試合だった決勝は、相手の棄権で支部予選１１連覇が決まった。急きょ組まれた代替試合では計１８トライと圧倒し、南大会へ弾みをつけた。宇佐見純平監督は「ここまで準備をしてきたので何とか試合をさせてもらえたことに感謝。さまざまな課題も見えてきた」と振り返った。渡辺真広主将（３年）は「一つ一つ丁寧に行動することと、声出し、誰よりも走るということを意識して実行できた。後半に雑になる部分はあったが、良いスタートが切れた」と語った。

　７月に札幌での夏合宿など強豪校を相手に少しずつ経験を積み重ね、たくましさを増したフィフティーン。この日はＦＷ（フォワード）、バックスが一体になってトライを量産した。先制は開始早々の相手ペナルティーからＦＷ陣をけん引する右ＰＲ（プロップ）・大倉永登（３年）がリスタートから力強く抜け出して中央でトライ。主導権を握った。

　バックス陣も力走。ＷＴＢ（ウイング）・小松珠生（３年）のオフロードパスや、キックを有効に使ってトライにつなげるなど縦を突く迫力のある攻撃を展開した。後半はＦＢ（フルバック）・渡辺をピッチに送り出すとさらに攻撃は活性化。ＨＯ（フッカー）・近江勇咲（２年）らＦＷ陣の突破のほか、スクラムやラインアウトからモールで押し込むなど多彩な攻撃が光った。守備も各選手が鋭いタックルで相手の総力を封じ、集中力を保った。

　先制トライなど体を張った大倉は「トライまでの過程が大事。先制点を取れて良かった。ただ、まだまだ。ペナルティーが多い部分を改善しなければ」と修正点を挙げた。

　多くの点に絡み、１０本のコンバージョンを決めるなどキックでも高い精度を誇った小松は「今日はキックが良かったが、次回以降もより精度を安定させたい。今までやってきたことを繰り返して全道に臨みたい」と力を込める。

　決戦まで約３週間。札幌山の手や立命館慶祥といった札幌の強豪校との厳しい戦いを見据え、宇佐見監督は「今年のチームは調子の波の幅が大きいのでどれだけ幅を小さくして、どうピークに持っていくか。できることをやっていきたい」と着々とチームを仕上げる。

　■最後まで果敢に　函工・函大有斗合同

　函工は無念の棄権も全道大会に切り替える。限られた人数だが、合同としてラ・サールと試合ができたことに福田彰一監督は「代替だが、試合ができたことはありがたい。全道大会まで残り少ないが、もう１回やり直し。ディフェンスを強化して臨み、函大有斗の分も頑張りたい」と大舞台へ気を引き締めた。

　相手の走力、パワーに圧倒されて連続失点も果敢に１トライを目指して声を掛け合い、最後まで力を尽くした。ゲームキャプテンを務めた山下蓮（函工３年）は「メンバーがそろわず決勝ができなかったのは残念。でも試合ができて良かったし、声を掛け合いながらプレーできた。頑張れた」と振り返った。

　若山達耶主将（同）は「全道レベルの相手に戦えたのは全道大会につながる。課題はディフェンス。低く強くタックルができるようになりたい。そして全員そろって全道大会に出場し、１回戦突破を目指したい」と支部代表としての意地を見せる。

▽決勝

ラ・サール　棄権　函工

▽代替試合

函工・函大有斗合同　ラ・サール

０ 　　　　計 　　　　１２０