北海道ニュースリンクは北海道の参加新聞社がニュース・イベントを配信するサイトです

苫小牧民報

道の駅ウトナイ湖の小鳥オブジェ 最後の衣装 匿名女性が善意の着せ替え7年半 

苫小牧市植苗の道の駅ウトナイ湖で、静かな話題となっている小鳥のオブジェの衣装着せ替え。2015年4月から近所に住む80代女性が匿名で続け、道の駅の名物となったが、9月1日に始まるリニューアル工事を機に女性は”小鳥のスタイリスト”を引退する。小鳥たちは「ありがとう」のメッセージを掲げた柵の上で縫いぐるみを載せた最後の衣装を着て、観光客らを出迎えている。

最後の衣装を身にまとった小鳥のオブジェ。これまでたくさんの市民や旅行者らを喜ばせてきた

 小鳥のオブジェは、全長6センチほどで道の駅からウトナイ湖に向かう歩道に設置された2基の柵の上に並んでいる。金属製の柵は車止めとして全国各地の公園や道路などで使われており、1基に4羽の小鳥が付いている。

 道の駅の近くに暮らす女性は朝の散歩でウトナイ湖を訪れた際、小鳥のオブジェが目に留まり、「何だか寒そう」と心を痛め、手のひらで大体の大きさを把握。毛糸で衣装を作って後日、こっそりと着せてあげた。

 最初は1回だけのつもりだったが、衣装を着けた小鳥を見た人が「かわいい!」と笑顔になるのを見てうれしくなり、続けることに。ひな祭りやこどもの日、クリスマスなど年中行事に合わせた衣装の他、子どもに人気のキャラクターのマスコットを載せたもの、ちりめんで作った和服やレースをあしらったドレスなどアイデアを駆使して制作。原則、2週間置きに着せ替えてきた。

 着飾った小鳥は徐々に話題となり、インターネットやテレビ番組で紹介されたことも。評判を聞き付けて見に来たという人や楽しそうに記念撮影をする家族連れを目の当たりにするたび、女性は「旅行中の楽しい思い出の一つになっているようで、とてもうれしかった」と振り返る。

 道の駅のスタッフらも女性の活動を温かく見守り、雨の日には衣装がぬれないよう「雨がっぱ」を着せたことも。道の駅内の売店プレジールの佐藤晶子店長は「お客さんだけではなく、私たちスタッフも小鳥の衣装に元気づけられてきた」と語る。

 この約7年半で、着せ替え回数は150回を突破。女性は高齢となり、衣装作りが体の負担になり始めていたことから、道の駅のリニューアル工事を機に着せ替えを終了することを決めたという。最後は活動を支えてくれた人たちへの感謝を込め、「ありがとう」の文字とネコやブタの縫いぐるみを載せた衣装を用意した。

 小鳥のオブジェは、柵の撤去に合わせて今月末でいったん姿を消すが、市は長年の女性の善意に対する感謝の気持ちを込め、新しく設置する風よけの壁に移動させる考え。女性は「これまで数え切れないほどたくさんの人に大切にしてもらい、感謝しかない。衣装作りは終えるが、これからも道の駅を何かの形で支えていきたい」と話している。

関連記事

函館新聞

函館でサクラ満開 過去3番目タイの速さ【函館】

 函館地方気象台は23日、函館でサクラ(ソメイヨシノ)が満開になったと発表した。昨年より3日遅く、平年より9日早い観測で、記録が残る1953年以降、2021年と同じ3番目の早さだった。  五...

函館新聞

道南ものがたりジャーニーラン、8月に道内初開催【函館】

 NPO法人スポーツエイド・ジャパン(埼玉県、館山誠代表理事)は8月23~25日、道南を舞台にランニングと旅を楽しむイベント「第1回道南ものがたりジャーニーラン」を開催する。道内開催は初めてで、...

網走タイムズ

ごみのない社会を目指して 株式会社そうけん 市内や大空で清掃奉仕【網走】

 【網走】国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」に取り組んでいるそうけん(中村圭社長)が、事務所周辺の町内や北浜、女満別空港周辺などで清掃奉仕した。  中村社長や社員80人が市南7...

網走タイムズ

バイオマス発電などを視察 鈴木知事が斜網地区訪問【斜網】

 【斜網】鈴木直道知事は22、23の両日、斜網地区を訪問。「なおみちカフェ」「スクラムトーク」を開き、地域住民らと懇談した。  なおみちカフェは「地域がもっと輝く北海道」の実現に向け、鈴木知事が...

日高報知新聞

フィナンシェ「優駿の里」 特産夏いちごをふんだんに アエル売店で5月1日..

 浦河優駿ビレッジ アエル(アエル)は、町内の事業者とタッグを組み特産の夏いちご(すずあかね)をふんだんに使った、いちごフィナンシェ「優駿の里」を開発した。メイド・イン浦河にこだわった新たな土産...

CATEGORY記事カテゴリー

MEDIA参加新聞社

ARCHIVE月別記事リスト

RANKINGアクセスランキング

  • 週間アクセス
  • 月間アクセス