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釧路新聞

留学先で戦争間近に経験 別海高3年の藤波さん「考え寛容に」【別海】

復学した藤波さん。年下の級友たちに経験を伝えている

最後の授業を終えクラスメートとEUの旗を持つ藤波さん(左)(本人提供)

 【別海】ロシアがウクライナに侵攻し24日で半年。この間、留学先のドイツでウクライナからの避難民と暮らす貴重な経験をした人がいる。別海高校3年の藤波めぐみさん(19)=根室市厚床在住=だ。7月に復学し、現在は年下の同級生と学ぶ。想定外の出来事を経験し「考えが寛容になった」という気持ちの変化を話してもらった。

 藤波さんは留学生派遣などを行うAFS(アメリカン・フィールド・サービス)日本協会の公募推薦に高1時に合格。コロナ禍で2年足踏みした後、昨年9月に高校を休学し、独・ミュンスターから南西約25㌔のリューディングハウゼン地区にある中高一貫校で学んだ。

 ホストファミリー宅からバスで約40分かけて通学し、授業は午前8時から午後3時すぎまで最大6こま。各国からの留学生クラスに在籍し、使う言語は原則英語。数学以外は討論中心の授業で「正解より、異なる考えを理解する能力が求められているんだなと感じた」。南米、中東、東欧、北欧など8カ国に友人ができ、今も連絡を取り合っている。

 独ではマスクをしている人はほとんどおらず、新型コロナウイルス対策も日本と違った。クリスマスや北京五輪を経て冬も終わりに近づいた2月24日、ロシアのウクライナ侵攻が始まった。両国境に近いウクライナ東部から逃れてきた一家3人をホストファミリーが受け入れた。3人は40~50代ぐらいの母親と10代の姉妹。1カ月ほど一緒に暮らした。避難してきた姉妹とは独語を一緒に勉強したり、日本のアニメの話をして過ごした。

 侵攻による制裁でロシア人の級友は自国の口座が使えなくなり「僕はどうなるのか」と途方に暮れていた。留学先を独にしたのも移民の受け入れに寛容な国だったからだが「今の時代で戦争をこんな間近に体験するとは思わなかった」と複雑な気持ちを振り返る。

 藤波さんは「多民族や多様性に触れ考えが寛容になった」とし、将来は「英語を通して海外や留学の楽しさを伝えたい」と英語塾の講師を目指している。特別な経験をし復学した教え子に、同校の英語教諭高橋慎吾さん(46)は「生徒はもちろん、われわれ教師もよい刺激をもらった」と話している。

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