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釧路新聞

道が千島海溝地震で被害想定 釧路市、最悪8万4000人死亡【札幌】

 道は28日、想定される千島海溝・日本海溝沿い巨大地震の市町村別被害想定を初めて公表した。羅臼町から道南・福島町まで太平洋沿岸38市町に千島海溝地震で最大級の津波が襲った場合、釧路市では冬の夕方に逃げ遅れると、最悪で人口の50%に当たる8万4000人が死亡する恐れがあると予測。釧路、根室管内9市町合計で10万3800人に上り、全道域の死亡想定10万6000人の98%に上っている。担当した岡田成幸北大名誉教授は「対策を講じることで被害は半減する。悲観せず行政と住民が協力し防災対策に取り組んでほしい」と訴えている。

 被害想定は、千島・日本海溝沿い巨大地震発生時の被害を浸水想定に基づき①夏の昼②冬の夕方③冬の深夜―の3パターンで推計。今回の想定は昨年7月に発表した津波浸水想定を基に、自治体が個別防災対策を検討するため、人口動態や建物の状況などについて、10㍍四方ごとの詳細な分析を道防災会議の減災目標設定作業部会が実施した。国は昨年12月、統計的手法により千島海溝型で冬深夜の場合、全道域で最大8万5000人が死亡するとの想定を発表しているが、今回の想定は国のを上回った。

 千島モデルで最も被害が大きいと予想されるのが釧路、根室管内。最大で釧路町の26・5㍍をはじめ、根室市21・7㍍、浜中町と釧路市で20・3㍍、厚岸町20・2㍍など、軒並み20㍍超す津波が予想されている。最悪時に人的被害が多いのは冬の夕方の釧路市で最大8万4000人。夏の昼間7万7000人、冬の深夜7万3000人。釧路の場合は浸水区域近くに職場が多く、津波到達時間も早いことから、避難の危険度は夜の方が高いが、被害は夕方が多いと推計した。

 避難の際に生死を分けるのが避難開始時間。「直ちに避難」は、着替えも含め冬の昼間が7分、夜は12分を目安にした。捜し物をしてさらに10分経過すると水深30㌢以上から脱出する機会が失われる可能性が増す。早期避難と呼び掛けで70%が直ちに避難できるが、残りは難しいと推定。早期避難や津波避難ビル活用などによって被害が大幅に軽減されると分析し、冬の夕方の死亡は約55%、冬深夜も47%余り軽減するとしている。夏の昼間は特に効果が著しく、9万4000人が2万7000人まで71%余り減少するとしている。

 釧路市以外の釧根管内では最悪の場合、釧路町が5700人、白糠町4600人、厚岸町3600人、浜中町2600人、根室市2300人、最も少ない羅臼町で10人が死亡すると推計し、合計では10万3800人だが、事前の対策や早期避難などによって半数以上の4万7050人にまで減少できるとしている。

 一方で、冬期間は避難した人の低体温症への対処も必要で、手だてを講じなければ釧路市で7400人、釧路町で4300人、厚岸町で1000人など、9市町で1万4160人が命の危険にさらされるとしている。

 このほか建物の全壊(冬)は釧路市の2万7000棟、白糠町の4200棟、浜中町4000棟、根室市3300棟、厚岸町3200棟、釧路町1900棟など、4万4610棟になると予測している。

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