３年ぶりに定期運航を開始し観光客や市民が利用した「箱館ハイカラ號」（９日午前１０時半ごろ、十字街電停で）

　明治時代の客車を復元した「箱館ハイカラ號」の今季の定期運行が９日、始まった。新型コロナウイルス感染症の影響で貸し切りを除くと３年ぶりの再開。待ちわびた市民や観光客らが乗車したり、写真を撮るなど思い思いに楽しんだ。

　観光シーズンの訪れを告げる風物詩的な存在で、赤を基調としたレトロな車両が人気を集める。本来は４月末からだったが、感染状況を考慮して夏からの運行が決まった。

　車内には料金収受などの業務に当たる車掌としてこの日が初乗務となった小林かほるさん（４０）は「緊張するが楽しみたい。ハイカラ號から元気を届けられれば」と話した。駒場車庫を発車する前には多くのファンが集まり、写真撮影していた。西部地区方面での乗降が特に多いという。

　家族で乗車した函館深堀小４年の中村慧史君（９）と弟で同小１年の篤史君（６）は「電車が好きでとても楽しみにしていたのでうれしい」と笑顔だった。運行日は、１０月末までの土、日曜日、祝日と、８月１２日と１０月３１日で、１日３往復する。