最後の営業を見届けようと集まった利用客に従業員が礼をする中シャッターが下ろされ閉店したイトーヨーカドー函館店（３日午後７時１５分ごろ、山崎純一撮影）

　函館市美原１の大型スーパーマーケット、イトーヨーカドー函館店（成岡宏幸店長）が３日、閉店した。閉店後にセレモニーを行い、市民約２００人が見守る中、シャッターを閉じ、４２年の歴史に幕を下ろした。

　同店は１９８０（昭和５５）年９月に開業。隣接するＭＥＧＡドン・キホーテ函館店（旧長崎屋、同年８月オープン）とともに、大規模駐車場を備える大型商業施設として美原地区の振興を担った。

　営業最終日のこの日は思い出深い店内を目に焼き付けようと、各フロアは家族連れなど多くの市民でにぎわった。深堀町から訪れた川越正雄さん（６７）は「美原地区が栄えた象徴的な存在で閉店は寂しい。最後に思い出に残します」、家族３人で来店した昭和２の会社員、橋本庸介さん（４５）は「子どものころは親と毎週来ていた。商品の質も良く、何でもそろう店がなくなってしまうのは本当に残念」と惜しんだ。

　この日は午後７時の閉店が迫ると、従業員が出口付近に並び、来店客一人一人を見送った。セレモニーで成岡店長（５３）は「閉店に際してはたくさんの温かいメッセージをいただき、お客さんからの支えを実感しました。これまでありがとうございました」と感謝。７時１５分ごろシャッターが下り始め、集まった市民は４２年間の営業をねぎらい、大きな拍手で閉店の瞬間を見守った。

　今後に関しては、入居するビルを所有する一位物産（本町）が商業施設として来年中のオープンを目指し入居事業者の絞り込みを進めており、後継テナントの行方が注目される。