然別湖に伝わる伝説を基にした「白蛇姫まつり」（鹿追町観光協会主催）が２日、３年ぶりに湖畔で開かれた。今年は町内の若者によって白蛇姫舞が創作されてから５０年の節目に当たり、好天の中で迫力ある舞が観客を魅了した。

白蛇姫伝説を表現した舞を奉納する保存会のメンバー

　白蛇姫伝説は、飢饉（ききん）に苦しむアイヌの人が、夢に現れた女神のお告げに従って白蛇について行くと、沼（然別湖）にたどり着き、多くのオショロコマを取れたという伝説。

　１９７２年に町商工会青年部など若者が中心となって白蛇姫舞保存会を発足。白蛇を手作りして同年６月に第１回白蛇姫まつりを開催した。

　コロナ禍の影響で２回の中止を経ての開催となったこの日、会場の湖畔には家族連れなど大勢が訪れた。帯広カムイトウウポポ保存会によるカムイノミ（神への祈り）に続いて、白蛇姫舞が披露された。

　女神の後について現れた親蛇と子蛇が交差したり、とぐろを巻いたりするなど、保存会メンバーが伝説の世界を迫力ある動きで表現した。同会の野村和夫会長は「しっかりと舞い、これからも伝えていきたい」と話していた。