番組の収録でインタビューを受ける櫻井さん（ＦＭいるか提供）

　ＦＭいるかは５日から、北方領土返還要求運動を啓発する番組「四島（しま）への想い」を毎月１回放送する。道南に在住する元島民５人のインタビューを紹介する内容で、いるかは「戦後７７年が経過し、戦争体験者が減少する中、領土問題を風化させず後世に伝えていきたい」としている。

　元島民、親族でつくる千島歯舞諸島居住者連盟函館支部（坂上範夫支部長）が昨秋、いるかに番組制作を要請し実現した。

　番組は、１１月まで毎月第１火曜に計５回放送。放送時間は午前１１時１０分から１５分間。内容は元島民にインタビューし、島での暮らしや印象深いエピソード、島に対する思いなどを語ってもらう。インタビューアーはいるかパーソナリティーの佐々木紫（ゆかり）さん。５日の初回は、市内在住の択捉島留別村出身、櫻井和子さんが出演する。

　いるかの斉藤正樹プロデューサーは「当事者の肉声が聞けるまたとない機会。元島民の声を伝え、記録に残していくことがラジオの使命」と話す。

　３０日には、いるかの番組「オトノハにのせて」に坂上支部長が出演し、番組をＰＲ。「元島民の記憶を記録に残すことが必要と考え提案した。放送を聞いて北方領土問題に関心を持ち、私たちの活動に協力してほしい」と呼び掛けた。