施設外就労増員20人に 函館にカーネーション共選新拠点【函館】
JA新はこだて(横道重人組合長)は1日から、農福連携の一環で利用者が外に出掛けて仕事をする「施設外就労」について、カーネーションの共選で受け入れ人数を増員した。従来のJA七飯基幹支店農産センター(七飯町大中山7)に加え、新たにJA函館支店(函館市湯川町3)の倉庫に第2共選拠点を設け、計20人が就労。一般就労に向け、利用者のやりがいと自信につながっている。函館拠点は9月30日まで。
JAでの農福連携の取り組みは今年で3年目。社会福祉法人函館恵愛会、合同会社HOS(共に函館)と施設外就労の契約を結び、恵愛会の就労継続支援A型事業所「クレドホテル函館」「松陰プラザ」、B型「クリン」の14人、HOSのB型「ファニー湯川」の6人で4施設合わせて20人。初年度、2年目ともクレドホテル函館のみで利用者8人、13人を受け入れた。受け入れ規模は道内でも先行事例だ。
今年はお盆と彼岸に繁忙期を迎えるカーネーション共選の作業時間の短縮化や、4施設がJA函館支店の近くにあり利用者を送迎せずに済むため、第2共選拠点を稼働。カーネーションは農産センターで一元集荷し、トラック便で函館支店まで運ぶ。函館支店に運ぶ本数は全体の1~2割で、初日は7000~8000本を選花した。勤務時間は体力のない人にも配慮し、午前9時~午後2時(昼休みを除き4時間)。
今年初めて共選に参加した利用者の大沢梓さん(30)は「作業は大変だけど、パート従業員とのやり取りが楽しい。対人関係を築くのが苦手なのを克服するため、長く続けたい」と話す。
利用者は作業を重ねることで、一般就労した際の精神的な負担を軽減する狙いがある。クレドホテル支配人の齊藤公則さん(40)は「施設外就労の枠を増やしてもらい、助かっている。利用者は生活習慣が身に付き、精神衛生上いい効果がある。自分に自信を持って一般就労に至った例もある」としている。
JA花卉課主幹の壁坂俊哉さん(39)は「思った以上に選花時間が早く、既存のパートに見劣りしない。第2共選拠点がうまく稼働すれば、受け入れ人数をさらに増やすことも検討したい」と期待を込める。
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