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函館新聞

函館市の低速移動交通運行 8、9月に西部と南茅部【函館】

 函館市地域公共交通協議会(事務局・函館市)は、環境にやさしい低速電気車を活用した短距離移動サービス「グリーンスローモビリティ(グリスロ)」実証運行を、8~9月に西部地区と南茅部地区(垣ノ島遺跡、大船遺跡周辺)で実施する。両地域に共通する地形的課題である「坂」の移動バリア解消をテーマに、地域内移動の3次交通としての実用性について検証する。

 グリスロは時速20キロ未満で公道を走ることができる電動車を使った移動サービスで、従来の公共交通ネットワークを補完する住民の身近な足として注目されている。また、家庭用電源でも充電が可能なエコな移動サービスとして国も導入を推進している。

 同協議会は運行場所として、高齢世帯が多く、急な坂道で移動が大変な西部地区と、路線バス停留所から距離が遠く、上り坂が続く縄文遺跡周辺の2地域を選定。運転手1人と乗客6人が利用できるヤマハ発動機製の7人乗りのカート型電動車1台を使用する。運転手は地元タクシー会社に協力を依頼する。

 西部地区では8月6日~9月4日に実施。高齢者が自宅から市電停留所へ移動する際の利用を想定し、函館どつく前、大町、末広町の3電停を中心に1週2~3キロメートル程度の循環型経路を設定。午前9時半~午後4時まで30分間隔で運行し、停留所を定めないフリー乗降方式で利用は無料。南茅部地区では9月10日~25日に実施。垣ノ島遺跡下バス亭から縄文文化交流センター間の片道0・8キロ区間と、垣ノ島遺跡と大船遺跡間の片道約4・8キロ区間を運行する。

 同協議会は実証運行の結果を検証し、現在プロポーザル方式による事業者選定を進めている「函館市地域公共交通計画の策定に係る調査業務」の受託事業者に情報を提供し、将来的な新しい移動サービスの実用性を探りたいとしている。

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