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函館新聞

「渡島の水産」公開 現状や課題一目で【函館】

プリントアウトした渡島の水産を持つ榊原さん

 渡島総合振興局は、道内漁業で重要な位置を担う渡島管内の水産の概要をまとめた「渡島の水産」をホームページで公開した。渡島の水産の現状や施策の推進状況が一目で分かるガイドブック。トピックスでは道南で水揚げが増えているブリの消費を拡大するため、官民共働で新商品の開発や認知度向上に取り組んでいることを明記した。

 毎年作成。今回は主に2020年の動きや課題、施策に焦点をあてた。渡島の20年の漁業生産高は、数量が11万6700トンで全道(114万4000トン)の10・2%、金額が268億7000万円で全道(2027億2000万円)の13%を占める。

 近年は資源水準の低迷などで漁業生産高は減少傾向にあり、漁業就業者の減少や高齢化が著しい。振興局は対策として、適切な資源管理や育てる漁業の推進、地元水産物の消費拡大、付加価値向上、担い手の育成を進めている。

 トピックスは、21年を振り返った。漁業生産高(速報値)は、数量が前年比32%増の15万4000トン、金額が同17%増の314億円の見込みとなったことや、新型コロナウイルスの影響で魚価安に苦しめられた一方、中国向けのホタテ貝を中心に輸出に回復の兆しが見られることを紹介。

 ブリでは、20年に開発した「ブリたれカツ」を21年はバーガーとしてキッチンカーで実演販売し好評だったほか、ブリフェス(21年10月)は道南の38店舗が工夫を凝らしたブリたれカツメニューを提供、函館市内22店舗のスーパーでは総菜コーナーでブリたれカツを販売し一定の成果を得た。小学生がブリに親しむイベント「函館地ブリパーク」(同)も開催した。

 学校と連携した新商品の開発や創作料理コンテストの開催、学校給食にブリたれカツを提供。企業との連携では、ブリと酒かすを使った新たな加工品「ブリの漬魚」の開発に成功したと記している。

 主要魚種の漁獲量(20年)は、全14振興局中スルメイカ、ブリ、コンブ、サバ、ヤリイカ、マグロ、キタムラサキウニ、ワカメ、クジラで1位となり、水産王国を揺るぎないものとしている。

 全60ページ。振興局水産課の榊原滋漁政係長は「ブリやサバなどの漁獲が伸びている現状を知り、一般市民に興味を持ってもらい、消費拡大につなげたい」としている。

 冊子は発行しておらず、同課のホームページから閲覧できる。

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