北海道ニュースリンクは北海道の参加新聞社がニュース・イベントを配信するサイトです

苫小牧民報

液化CO2船舶長距離輸送 受け入れ設備着工 24年3月完成へ起工式

二酸化炭素(CO2)を回収、貯留、有効利用する「CCUS」拠点化実証事業を展開する日本CCS調査(東京、JCCS)は23日、液化CO2船舶長距離輸送の受け入れ設備の起工式を苫小牧市真砂町の北電苫小牧発電所の敷地内で行った。地元関係者も含めて約40人が参加し、JCCSの中島俊朗社長は「次のステップ。地元の理解と協力で、安全に事業を進める」と強調した。

起工式でくわ入れする中島社長

 液化CO2の船舶長距離輸送は、CCUSとしては世界初の試み。2024~26年度の3年間、関西電力の舞鶴発電所(京都府舞鶴市)の石炭火力発電から発生するCO2を分離・回収、液化し、約1000キロ離れた苫小牧まで船舶で運ぶ。CO2の輸送は年間約1万トンの想定で、1000トン級輸送船で年間運航10回ほどを考えている。

 液化CO2の受け入れ設備は、同発電所敷地内で整備し、24年3月の完成を目指す。苫小牧港・西港岸壁に液体荷役装置のローディングアームを設け、岸壁から約1・5キロ南側に高さ18メートル、直径14メートルの貯蔵タンク(1200トン型)を建設し、岸壁とタンクをパイプラインで結ぶ。液化CO2は低温・低圧条件の船舶輸送も計画しているため、再液化設備も設ける予定だ。

 起工式は苫小牧市や市議会、苫小牧商工会議所、出光興産北海道製油所など近隣企業、苫小牧漁業協同組合など地元の関係者も参加。CO2の有効利用方法は今後正式に決めるが、燃料や化学品の原料になるメタノール製造が有力視されており、苫小牧のCCUS拠点化の加速に期待が掛かる。中島社長は取材に対し「苫小牧のカーボンニュートラル(CN、温室効果ガスの実質排出ゼロ)事業に生かされれば」と力を込めた。

 CCUS拠点化実証は国事業で、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が受託。21~26年度の総事業費は160億円。苫小牧でCO2を回収、地中にためる「CCS」を行うJCCSを中核に、一般財団法人エンジニアリング協会(ENAA、東京)、伊藤忠商事(同)、日本製鉄(同)の4者が昨年6月から共同受注して展開している。船舶長距離輸送は研究開発と実証試験をJCCSとENAAが担当する。

関連記事

十勝毎日新聞

危険運転トラえる! おびひろ動物園 マオ、「広報官」に任命【帯広】

 帯広署(工藤博光署長)は23日、おびひろ動物園(稲葉利行園長)のアムールトラ「マオ」(雌、13歳)を「交通死亡事故抑止広報官」に任命した。危険な運転者を「捉(トラ)」え、交通死亡事故ゼロに「トラ...

十勝毎日新聞

すてきな「恋活」応援 市内女性3人「交流会」活動【帯広】

 十勝の男女の「恋活」を応援したいと、婚活事業に携わってきた帯広市内の女性3人が、十勝で男女の交流会やパーティーの企画立案・運営を担う「koimusubi十勝」(工藤美佐代表)を立ち上げて活動して...

十勝毎日新聞

イトーヨーカドー、最後のGW 家族向けイベント盛りだくさん【帯広】

 6月末で閉店する「イトーヨーカドー帯広店」(市稲田町南8線、笠井哲郎店長)では、最後となるゴールデンウイーク(GW)を盛り上げようと、各種イベントなどを計画している。閉店を惜しみ、来店者も増える...

室蘭民報

多種多様な生き物見て 26日今季オープン、むろみん水族館【室蘭】

エアー遊具「ファファ」復活  室蘭民報みんなの水族館(室蘭市祝津町、中澤雅樹館長)の営業が、26日に始まる。今季も多種多様な飼育動物、魚類の展示などを行うほか、コロナ禍で中断していたエアー遊具...

室蘭民報

室蘭まちづくり放送、中小規模部門で上位500に 健康経営優良法人2024..

西胆振から24企業認定  健康経営に積極的に取り組んでいるとして、日本健康会議が認定する健康経営優良法人2024に西胆振から26法人が認定された。コミュニティーラジオFMびゅーを運営する室蘭まち...

CATEGORY記事カテゴリー

MEDIA参加新聞社

ARCHIVE月別記事リスト

RANKINGアクセスランキング

  • 週間アクセス
  • 月間アクセス