函館市教委は、２３日に行われた市議会総務常任委員会委員協議会（出村ゆかり委員長）で、市立函館博物館本館など市内の歴史・文化資料展示５施設の機能を集約した「総合ミュージアム」（仮称）の整備についての基本的な考え方を示した。建物の規模や建築場所、整備時期などについては未定。市教委生涯学習部は、市民からのパブリックコメントや関係団体からの意見聴取を行った上で、具体的な整備構想を進めていきたいとしている。

　函館市内には市立博物館本館（青柳町）のほかに北洋資料館（五稜郭町）、市立博物館郷土資料館（末広町）、北方民族資料館（同）、文学館（同）の４つの博物館に準じる施設がある。各施設には展示しきれない収蔵物が多数あり、現在の状態では資料の適切な温度管理が難しいことなどから、５施設の機能を集約した総合ミュージアムの建設が検討課題となっていた。

　今回市教委が示した基本方針では、「博物館法が規定する機能を持つ」「人にも資料にも優しい」「函館の歴史や文化を総合的に学べる」「すべての市民や観光客が楽しめる」「まち歩きや観光地巡りの起点となる」の５つのメインコンセプトを提示。整備時期については市の中長期的な財政状況を見極めたうえで判断するとしている。

　また、総合ミュージアムに移行した後の既存施設については、市立博物館本館は収蔵庫として活用。郷土資料館、北方民族資料館、文学館は市が引き続き土地・建物を所有し、西部地区整備事業の中で活用方法を検討するとしている。

　同部は「今回の整備方針は、あくまでも議論のたたき台として示したもの。市民や関係団体から幅広く意見を募り、今後の整備構想に取り入れていきたい」としている。