恵山岬沖で沈没したとされるアルバコア（米海軍歴史・遺産コマンド＝Ｎａｖａｌ　Ｈｉｓｔｏｒｙ　ａｎｄ　Ｈｅｒｉｔａｇｅ　Ｃｏｍｍａｎｄ　ホームページより）

　一般社団法人ラ・プロンジェ深海工学会（長崎県五島市、浦環代表理事）は２５日から、函館市恵山岬の沖合で、太平洋戦争中の１９４４（昭和１９）年１１月に沈没した米海軍潜水艦「アルバコア」の海中探索を実施する。新型コロナウイルス禍で２０２０年８月から延期していたプロジェクト。探索の様子は同日午前５時からインターネット動画のニコニコ生放送で中継する。

　東京大学名誉教授の浦代表理事は自立型海中ロボット研究の第一人者。これまでに長崎県五島列島沖で戦後に海没処分された旧日本海軍の潜水艦探索などで成果を上げてきた。

　アルバコアは４４年６月のマリアナ沖海戦で日本海軍の新鋭空母「大鳳」を沈めるなど対日戦で戦果を挙げた潜水艦で、同年１１月７日に恵山岬沖に敷設された機雷に触れて沈没したとされる。戦時中、渡島半島周辺は室蘭などとを結び、道内からの物資輸送を担った貨物船が数多く往来し、米潜水艦の攻撃で沈んだ船も少なくない。

　プロジェクトは２５、２６日の２日間、大まかに判明しているアルバコアの推定沈没地点周辺で、マルチビームソナーを積んだ漁船２隻で海底の地形を調査。沈没地点特定後、遠隔操縦式潜水機（ＲＯＶ）を潜らせて撮影を計画する。

　同法人は、学術系クラウドファンディング「ＡＣＡＤＥＭＩＳＴ」（https://academist-cf.com/） で調査費用の寄付を呼び掛けている。また、ニコニコ生放送は（https://live.nicovideo.jp/watch/lv326919568） へ。