道南に訪日誘客を 韓国料理店経営の申さんが観光ツアー企画中【函館】
韓国高陽(コヤン)市出身で、函館市松風町で韓国料理店を営む申東煥(シン・ドウファン)さん(50)は、新型コロナウイルス収束後のアフターコロナに向け、道南観光のツアーを提案する新事業「函館観光ツアーHiCo(ヒコ)」を立ち上げた。韓国人旅行客をメインターゲットに、申さんが函館在住25年の経験を生かしてガイドを務め、道南の魅力を国内外の旅行客に発信する。
申さんは1996年、日本語学校入学のため初来日。その後、北大大学院水産科学研究院に進学し、博士号を取得。同大の研究員を務める傍ら、国際交流発展や韓国への情報発信にも尽力。2020年には函館・大門地区に本場の韓国料理を提供する「立ち飲みヒンナ」を開業した。
観光ツアーの新事業は、コロナの影響で減少したインバウンド(外国人訪日客)を中心とした観光客を再び増やそうと企画。今年1月に自身が代表を務め、飲食業と旅行業を運営する「株式会社函館研究所」を設立し、同3月には道の地域限定旅行業者の登録を道南で初めて行うなど準備を進めてきた。
ツアープランはインバウンド向けの長期滞在型旅行と地元客向けの地域新発見ツアーの2種類。長期滞在型では函館山、恵山、駒ケ岳(七飯、鹿部)、石別(北斗)の4基点を中心に癒やし、食、体験が楽しめるプランを想定。「韓国では登山やハイキングが人気で、道南は身近に自然があるのが良さ。短期ではなく、何日かに分けてゆっくり地域を周遊してもらいたい」と申さん。地域新発見ツアーでは、地元の人も知らない地域の魅力を伝えるガイドを計画中だ。
いずれも本格始動に向けて、各地の宿泊施設や飲食店などと調整を進めており、長期滞在型は来年度、地域新発見ツアーは早ければ今年度のスタートを目指している。申さんは「地域の良さを生かし、とにかく道南に滞在してもらい、地域経済を回すことが狙い。コロナ禍だからこそ準備を進め、インバウンドが来られるまで体制を整えたい」と意気込んでいる。HiCoのホームページは二次元コードを参照。
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