中札内村の「ファームレストラン野島さんち」(新生東1線、野島利美代表)で育てたブドウを使ったワイン「Art de Champ 2021」が初めて完成した。野島さん(73)らが2016年からブドウの苗木を栽培し、昨年収穫に成功。30日から村内で販売を開始する。
野島さんは同年から「中札内村ワイン研究会」として、村産ワインの製造を計画した。自身が経営する野島農場に、池田町から買い付けた苗木を計500本ほど植え、同村在住の農業榊孝弘さん(52)と管理。ワインソムリエの資格を持つ元地域おこし協力隊の梶山千裕さん(34)も加わり、製品化を進めた。
ブドウは実を付けるまで3年ほどかかり、春先に霜の被害を受けると収穫量も落ちる。当初の目標だった500リットルのたる1本分の生産はかなわなかったが、天候に気を配りながらの地道な栽培が実を結んだ。
製造には帯広市内の「あいざわ農園」(以平町、相澤一郎代表)が協力し、同社のワイナリーで約30本のワインを製造。相澤さん(39)によると「スパイシーな香りで、酸味が強い。チーズやジンギスカン、鹿肉などのジビエにも合う」という。ラベルデザインには、梶山さんの夫・智大さんが、農場に降り積もる雪の上を歩いて描いた「スノーアート」の写真を採用した。
18日にはワイナリーに野島さんら3人が訪れ、相澤さんとともにボトルにラベルを貼り、ろうで封をした。
野島さんは「遊び心で始まった計画。少量だが自分で作ったワインはやっぱりおいしい。中札内のチーズと一緒に楽しんでもらいたい」と話した。
1本750ミリリットル、5500円。ファーストヴィンテージは限定10本。村内のクッキーとワインの店「LE BLEU(ル・ブルー)」(元大正基線190)で販売するほか、レストランでの提供も予定している。
問い合わせはル・ブルー(0155・67・6847)へ。
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