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函館新聞

伝統的な建造物「守屋住宅」を再生 投資型CFで資金調達【函館】

飲食や物販の小規模テナント施設としての再生事業が進められている伝統的建造物「守屋住宅」

 函館市末広町14の伝統的建造物「守屋住宅」を改修し、小規模のテナント施設として活用するプロジェクトが進められている。神奈川県鎌倉市の不動産業「エンジョイワークス」(EW社、福田和則社長)が運営、実施している投資型クラウドファンディング(CF)で改修資金を調達。市民や函館の歴史的建物の保存に関心のある人たちに共感を広め、地域住民が日常的に活用する飲食、物販スペースへの再生につなげる。

 守屋住宅は1909(明治42)年完成の木造2階建ての和洋折衷住宅。同じ通りに面して同時期の建物が連続して並び、明治末の貴重な面影を残す。90年に伝建の指定から外れたが、古い建物の利活用に理解がある現在の所有者の意向で今年2月に再度、指定された。

 EW社は鎌倉や同県葉山町などで古い建物をシェアハウスやブックカフェ、宿泊施設などへと再生し、不動産仲介を通じた地域づくりを進める企業。不動産特定共同事業法に基づき運営するまちづくり参加型CF「ハロー!RENOVATION(リノベーション)」では、投資型ファンドで11件、約1・5億円を調達した実績がある。

 改修費用をファンド調達とすることで建物所有者は負担がなく、再生した遊休物件の利活用で地域には新たなコミュニティーが形成される。「まちづくりのための共感投資ファンド」と呼び、約半数はファンドの対象となった建物の地域住民が出資者となってきたといい、同社の彼末茂樹さんは「街の人のお金で、街のためになる事業を街の人と進めている」と説明する。

 守屋住宅のプロジェクトコンセプトは「函館の新規創業案内所」で「暮らしに寄り添い、西部地区で地元客向けの小商いを後押ししたい」とする。

 改修案のひとつは1階は6~16・2畳の4部屋、2階は8~16畳の3部屋を入居スペース、主屋の裏手にある別棟はアトリエ店舗(22畳)として活用。1階の道路側に飲食店、奥に物販店などの入居を想定し、土間などは共有スペースとする。設計段階から事業に参画できる仕組みも設けるという。

 西部地区の物件は専有面積が広く、家賃も高めといい、小規模賃貸借スペースの提供で、新たな出店ニーズを掘り起こす。彼末さんは「函館近郊の人に事業をやってもらいたい。テナント同士のコミュニティー形成も楽しんでもらう」と話す。物件を仲介した蒲生商事(函館)の蒲生寛之専務は旧市街への移住やUターンといった時機を得ているとし、「(テナントは)早い段階で埋まるのでは」と推測する。

 ファンドの募集金額は880万円。投資金額は5万円からで、想定利回りは年利5%、運用期間は4年間。募集期限は6月末で、順調に資金調達が進めば、7月着工、10月開業を目指し、並行して入居希望者への案内も進める。投資家特典として函館での伝建巡りなどを計画。詳細は(https://hello-renovation.jp/) へ。

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