斉藤卯助翁の胸像移転【浦河】
コロナ禍で延び延びとなっていた斉藤卯助翁の胸像移転記念式典が22日、約40人の関係者が出席して浦河町基幹集落センター荻伏会館で行われた。
浦河町上野深で牧場を経営していた斉藤さんは、浦河はもとより日高管内の馬産振興に大きな功績を残した人。
明治41年に福井県で生まれ、大正時代に父親とともに浦河に入植し、1956年に荻伏牧場を設立。軽種馬生産一途に情熱を傾け、数多くの優駿を生産する一方、日高軽種馬農協組合長や日本軽種馬協会副会長、日本中央競馬会運営審議委員などの要職を歴任し、組織の強化や市場の整備改善に尽くした。
当時、子馬だった5冠馬シンザンを名調教師の武田文吾氏に紹介したのはあまりにも有名な話。人情にあふれ、地元では元浦川第二自治会の初代会長、荻伏地区の初代連合会長も努めて「うすけさん」と呼ばれて親しまれた。
これらの功績をたたえて、胸像は亡くなった翌年の昭和61年6月に日高軽種馬農協や多くの個人が協賛して牧場のあった野深地区に建立されたもので、今回、土地所有者の胸像周辺環境整備に伴い、自治会連合会などが移転協賛会を組織して資金を集め、町の許可を受けて荻伏地区の元浦川児童公園に昨年12月に移転設置した。
記念式典では、協賛会長の代理で和田功事務局長がこれまでの経過を紹介して式辞を述べ、池田拓浦河町長、金岩武吉道議、木村貢日高軽種馬農協組合長が斉藤さんの功績と人柄を偲んで祝辞。
浦河神社の宮司による祝詞と玉ぐし拝礼などの神事が行われたあと、長男の斉藤隆さんが関係者の配慮に感謝し「胸像を浦河のレガシーとして残したいと、連合自治会など協賛会が検討してくれたことは身内として大変ありがたい。製作者の鈴木吾郎さん(彫刻家)の美術的価値、住んでいた旅館の近くという思い出の地に建ち、父も満足してるはず」と胸をいっぱいにして謝辞を述べた。
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