災害救助犬育成を 道内初、瓦礫捜索施設が完成【登別】
犬の訓練などを手掛ける「トレーニングハウスDOG TALK」(登別市札内町)は、災害救助犬向けの瓦礫(がれき)捜索練習施設を開設した。道内では初めて。コンクリートや廃車などを用いて、想定される自然災害による被害を再現。運営する小野寺里絵さんは「瓦礫捜索の練習は、これまでは道外の施設を活用する必要があった。今後は登別を拠点として訓練が可能になる」と話している。
既存の訓練所近くにある、約3千平方メートルの土地を活用して開設した。道内にはこれまで災害救助犬向けの練習施設はなく、これまでは道外に出向く必要があった。
小野寺さんは「移動するだけでも多くの費用が必要になる。道内で災害救助犬を育成するためにも、練習施設を開設したかった」と明かす。
自然災害によって土砂で流された想定の車は、廃車を複数台譲り受けた。コンクリートブロックも譲り受けるなど、多くの協力者の支援で完成した。土やコンクリート片などを積み重ねて“自然な”災害状況を造り上げた。人のにおいを感じ取れるよう、瓦礫を積み重ねる際には風の流れも意識した。深さ数メートルの土管にはふたをして、あえて風の流れを少なくして難易度をアップ。コンテナなども有効活用した。
10月10日に、ジャパンケネルクラブ(JKC)の災害救助犬認定試験が行われた。今までは旭川市内で行われていたが、西胆振では初の試みとなった。完成したばかりの施設を活用して、10頭が服従、瓦礫捜索の試験に臨んだ。
小野寺さんは「国際救助犬の認定を受けるためには、練習施設の拡充が必要になる。来年に向けて準備を進めたい」と話している。
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