今年４月１日に廃線となったＪＲ日高線を題材にした映画「日高線と生きる」（稲塚秀孝監督）が24日、浦河町大通３の映画館「大黒座」で上映され、午後１時半の１回目に約40人が入場し、日高線へ思いを馳せた。

　映画は、日高線が廃線となるまでの経緯や軌跡、沿線自治体に住む農業（牧場）、漁業者（コンブ漁業）などの仕事や暮らしを映したドキュメンタリー映画。日高線復旧に尽力した人々、旧日高線を利活用するため活動する団体、地元の高校生の取り組みなど細かに稲塚監督が取材した様子が描かれている。

　上映後、稲塚監督（71）は「取材は２年前から行ってきたが、新型コロナの影響で半年間来ることができなかった。自分が思っていたよりも早く廃線が決まったが、まだ“途上”で、これからＪＲの呪縛が解け、残された鉄路をどう活用していくかが大事だと思う。今日はたくさんの人に見てもらいうれしい」と感謝した。

上映後舞台あいさつをする稲塚監督

　映画を見終えた町内在住の佐久間博子さん（80）は「普段は車を多く利用してきたが、列車を利用した時に見る風景が車と全く違うことに感動していた。廃線は残念。これからの世代に列車が走っていたという形が残ってほしい」と話していた。

　上映は11月13日まで。上映スケジュールなど時間の問い合わせは大黒座（☎０１４６・２２・２１４９）へ。